ーー加藤さんは様々なパワーアシストスーツ(PAS)をご覧になっていると伺いましたが、パワーアシストスーツ(PAS)を取り巻く市場環境は近年どのような状況でしょうか? ※以降パワーアシストスーツを『PAS』と記載
加藤:約16年前に医療器具として身体障害の補助機能としてスタートしたPASですが、ここ数年で作業用のアシスト機能(腰)に特化した商品が各社から出てきています。又、作業される方々の高齢化や人手不足などが要因となり、ようやく市場が立ち上がる兆しを感じています。 今後も各メーカーから様々な新製品が出てくると思われます。国内に限らず海外製品の国内参入もあり、さらに市場は活性化されるのではないでしょうか。
ーーパワーアシストスーツ(PAS)の効果を実感できる業種や利用シーンはどういうところがありますか?
加藤:業種は問いませんよ。利用シーンは「重いものの移動」や「中腰姿勢」といった腰に負担のかかるほとんどの作業に効果を発揮します。
ーーパワーアシストスーツ(PAS)を装着すると、重くはないのでしょうか?
加藤:現在、市場で出回っているPASは4kg前後の重量が主流です。重さはありますが装着位置が『肩で担ぐタイプ』と、『腰に装着するタイプ』があり、装着位置によって重さの感じ方や、作業のし易さなどが変ってきます。特に『腰装着タイプ』は「担ぎ疲れ」が少なく我々もお勧めしています。
腰への負担を2~4割程度軽減
ーーどのような作業に最も適していますか。また、どれくらいのアシストが期待できるのでしょうか?
加藤:『重量物の移動』と『長時間の中腰姿勢』作業に適しています。 アシスト力は、『㎏重』で表されている場合が多いですが、大まかにいうと、腰への負担を2~4割程度軽減してくれます。 ただし、PASを装着してアシストされていても、作業する人それぞれの筋力が違いますので、感じ方にも個人差があります。また、着用方法が正しく出来ていないと、期待する効果が発揮されていないこともあります。正しい着用方法をご理解いただき、有効的にご利用いただくためにも、我々はできるかぎりお客様の現場に赴きデモや試着体験会を行っています。
ーー身体の大きな人と小さな人だと装着するものが違うのでしょうか?または調整が可能なのでしょうか?
加藤:1種類で身長差をカバーするタイプと、身長差に応じてサイズがあるタイプ、又、アタッチメントを交換して合わせるものもあります。
ーーパワーアシストスーツ(PAS)を今後導入する企業や団体の方は、まずはどのような検討をするのが良いのでしょうか?
加藤:PASの導入によって現場での作業者の腰の負担軽減が主の目的ですが、同時に、作業環境の改善を図ることにより人員の流動性が増していくと考えています。今まで考えられていた年齢以上に働くことができ、従来は作業には不向きと思われていた人も作業に参加できることもあると思います。とは言っても、PASが必ずしも万能だということではなく、作業によって向き不向きもあると思っています。 物流会社で言えば、複数の作業を行うような作業よりも、連続して同じ作業をする現場にとても合っています。又、重量物を持たなくても、中腰の姿勢が続くような作業にも向いています。 導入を決めた現場には、作業する方全員が着用するようなルール作りも大切です。作業自体の負荷軽減が目的ですので、もちろん効果の個人差はあるでしょうが、全員が装着することにより、様々なフィードバックが得られます。こう言った導入後のアドバイスも含め我々はサポートしています。
まずは『試着体験』で効果の確認を
ーー最初から多くの台数を導入するのは多少不安なお客様もいらっしゃると思いますが、加藤さんはどのような提案をされていますか?
加藤:まずは商品の効果を体感頂くために、現場に伺いデモ体験会を行っています。効果があるので直ぐに購入される事業者様もいらっしゃいますが次のステップとして、どの作業に向いているのか、また、現場でのオペレーションを検証できるよう【1カ月レンタル】メニューをご用意しています。効果を十分確認された後、本格導入の相談にも対応させていただいております。
ーー中々実際に物を見る機会がないお客様もいらっしゃると思いますが、展示会等に行かないと現物を試着できないのでしょうか?
加藤:当社は【無償デモ体験会】をお客様の現場にて行っています。「商品の説明、着用にあたってのポイント、作業者への試着体験」といった内容です。
ーーパワーアシストスーツ(PAS)について今後の展望をお聞かせください。
加藤:日本における社会環境の変動に対するに一つの解を提供する魅力ある商品だと考えています。様々なメーカーからの市場参入もあり成長段階にある業界です。現在の主力である「体幹(腰)」だけではなく、今後は「上肢(腕)」や「下肢(脚)」といった商品も市場に出てくることで、市場が更に活性化されると予想しています。 その中で当社はパワーアシストスーツに関連する様々な情報を入手できるよう常にアンテナを張り、お客様により良い最適なパワーアシストスーツのご提案を続けて行きたいと考えています。
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